2008年 07月 23日 ( 1 )

八王子の書店での事件

 今日はなんといってもハリーポッターの発売である。いつもよりも早くに売り出すため、昨晩は早く寝た。
 
 今朝、つけっぱなしにしてしまったテレビの音で目が覚める。八王子の書店での事件を知る。

 亡くなられた方の無念を思う。想像力に限界はあるし、また、下手に想像力を働かせることはかえってよくないかもしれない。ただただ、ご冥福をお祈りするほかは今はない。

 容疑者は、おそらく僕と同い年かひとつ違いだ。だからどうというわけではない。が、先の秋葉原の事件の折、容疑者と同じくらいの年のスタッフがいろいろな思いを抱いていたのを思い起こす。

 今月初めにお話を聞いた地下大学東京。大澤信亮さんが「声やメッセージを届けられているだろうか?」と自問するように語っていらしたこと、樫村愛子さんが文化とコミュニケーションの問題を語っていらしたこと、などを思い起こす。

 犯行において、何ゆえ書店という場を選んだのか? そのことは事実の問題としても象徴的な問題としても、よく分からない。もちろん、どんな場所であれ、許されることではない。

 仮に、「両親が仕事の相談に乗ってくれなかった」という話が正しかったとする。だったら! と思う。答えになるかどうかは分からないが、「手がかり」になる本は一杯ある。直接的に働き口を紹介する雑誌もあれば、働き方について考える書籍もある。家族間で何かの問題があったとしたら、家族問題について記した本もある。こうして抱えている(と思われる)問題に直接にアプローチするものもあれば、もちろん一時の憂さを晴らすような娯楽を供する本もある。そしてもちろん、文学もある。それが書店だ。

 刃物をあがなう前に、本を読んでみて欲しかった、というのは暴論かもしれない。そうした場として書店をアピール出来なかった、と考えるのもやや行き過ぎる感じがするし、過度に自分の職業にひきつけるのは危険だとも思う。が、書店員の端くれとしては、悔しさとやるせなさで一杯である。

 一方でずっと考えているのが、自分の職場でどうスタッフの身を守るか、である。身の安全を言えば、女性スタッフを帰してしまうか(もちろん、男性なら大丈夫と思っているわけでもなければ男性なら被害にあっていいと思っているわけでもない)、全員に防犯ベルを持たせるか、棚整理は複数のスタッフが常に近くに居るようにして一人だけ離れないようにするか……。

 今日一日店を閉めてしまいたいとも思う。スタッフの安全を第一に考えれば。

 が、こうした時だからこそ、「手がかり」を求めてこられるお客様もいらっしゃるだろう。

 使い古された言葉を、繰返すことにどんな意味があるのか、分からない。でも、やっぱり、「こんなことは二度とあって欲しくない」。



 
[PR]

by todoroki-tetsu | 2008-07-23 06:26 | Comments(0)