タグ:ベルク ( 5 ) タグの人気記事

ベルク「War is over」問題について

 東京を離れてしばらく経つ。もちろん、最近の動向は肌感覚ではわからない。


 TWITTERでなんとなく見ていると、どうやら「War is over」という貼り紙か何かに対し、オーナー・ルミネに「政治的だ」という意見を寄せた人がいるらしい。


 すぐさま感じたことなどはあれこれあるんだが、これは少し考えなければと思った。


 「War is over」という言葉が政治的だとは思わない。それを掲げてなぜ悪いのか。がんばれベルク……それくらいのことはすぐ言えるし、それは本音でもある。しかし。


 僕は小売業の人間である。日々、とは言わないが、いろんなご意見を頂くことが少なくない。接客サービスなど基本的かつ小売業共通の事柄もあれば、どの本がどう置かれているか/いないか、など、非常にデリケートな問題まで多岐にわたる。明らかにこちらに非があるものもある、そうとも必ずしも言えないなと考え込んでしまうものもある。


 オーナーとか、本社がからむと、一応何かしらの回答をしなければならない。こんなもの無視してしまえ、というものも中にはある。しかし、そうともいえないはざまであれこれ悩むことも多々あるのである。


 そうしたことを当事者として経験している身として、ただのベルクファンとして言いたいことを言うだけでいいのか、それはかえってご迷惑をおかけすることになりはしないか、自己満足にすぎないのではないか。そんなことを考えていた。


 今朝、ようやく時間ができたので、ひとまずルミネさんにメールした。この数日文面を考えていたのだが、基本は「何か言われたからには何か対応しなければ、というのはわかる。けれど、本件はテナント任せにしてしまえ、ベルクとベルクファンならうまくやる、「ご意見承りました」くらいでとどめておくのが最良でしょう、という趣旨。
 

 ルミネさんに味方になってくれとはいわないが、少なくとも敵でさえなければなんとかなる、という思い。オーナーがこうした態度さえ取ってくれれば、顧客との関係がしっかりできているお店はどうとでもできる、と考えたのだった。


 事態は収束するのかしないのか、いまだにはっきりしないようだが、まとまらないながらふたつのことを考える。


 ひとつめ。ずいぶんといやな世の中になったが、何かしなければいかんな、ということ。少し話が変わるが、日清のCMで起用した女性タレントさんについてクレームが入り、打ち切りになったことがあった。これについて小田島隆さんが「打ち切りにしたのはあまりよくない。クレーマーをつけあがらせるだけ」という趣旨のことをお話しされていた(TBSラジオ「たまむすび」)。

 
 店が気に入らなければ行かなければいいだけのことで、実はそうして顧客が離れるのが商売人としてのダメージは大きい。しかし、それでは承認欲求が満たされぬのだろう、だからいきおいこんで何かを言ってきたのではないかと思われる。朝日新聞に出稿する出版社さんにいちいちご意見ファックス送る心性とさほど変わるまい。ならば無視するに限る。とはいえ、そうもいかない仕組みになっている会社も少なくない。ならば、と思い、放っておいてほしいとオーナーに意見を送ることで何か間接的にでもお役に立てれば。


 ふたつめ。ベルクさんに任せれば大丈夫、という信頼感。僕がただの顧客であるだけなく、こうした信頼感を持つにいたった一件がある。


 2009年1月のベルク通信が見られる。ここに迫川さんの「私の表現者会議」という一文がある。

 
 これだけ今見返しても、何のことやらと思われるだろう。ここに書かれている展示の状況を端的に言えば、「壁一面にメモがやたらベタベタ貼りまくられている状況」であった。たしかに見栄えは悪いといえば悪かった。この時は二日とあけずに通っていた時期だったが、ある時随分と展示が整理されたと記憶している。あれは
何だったんだろうな、と思っていたところに拝見したのが上記ベルク通信だった。

 
 僕はただの書店員だが、著者さんの様々な思いにぶつかることもある。一緒にやれることもあればやれないこともある。ほかのお客さんとの兼ね合いとか、いろんなことを考える。うまく折り合いを付けられるとき、そうでないとき、いろいろある。そうしたはざまの苦悩を率直に記されたこの文章に触れ、あ、この方は心底信頼できる、と思ったのだった。この思いは今なお変わらない。


 だからこそ、ベルクさん自身が判断・実行する環境であってほしい、と思う。なるべく足手まといになることなく、もしお役に立てることが出来れば、と思っている。
[PR]

by todoroki-tetsu | 2016-05-18 13:34 | 運動系 | Comments(0)

「みんな幸せ」な関係に――ベルクさんに学ぶこと

 自分の売場のことだけでなく、会社としてもいろんなことはやっぱり日々あって、その度にさあ何をどうしようかと考える。結果何もできないことは多いし、むしろ僕が何かを悪化させているかもしれない。仕事をしながら、自分でもよく分からない。きっとそんなもんなんだろう。

 ただ、最近「みんなが幸せになれるやり方はないだろうか?」と考えたり、口にしたりすることが増えた。あれ、これはどこかで見聞きしたフレーズだぞ。そうか、ベルクさんだ、と気づいたのは、珍しく店内中ほどに陣取る(?)ことが出来た数日前のことだ。

 久々にゆっくりと壁を眺めていた折に目に留まった店長さんの文書は「みんな幸せ」な関係にと銘打ってある。厳しい状況の中にあってお客様のことを考え続ける、真摯な商人の思いが凝縮されている。激ウマのクラシックピルスナー片手に、思わず背筋を伸ばした。

 旨いものを食しながら商いを、あるいは人生を、学べる貴重な「場」、それがベルクさんだ。「おもしろくて、ためになる」(講談社さん)ではないが、自分の棚・売場も楽しさ・面白さにプラスαを提供できるような、そんな「場」にしていきたい、と思う。『新宿駅最後の小さなお店ベルク』の世界が、現在進行形で体感できるのは幸せだ。

 これからも勉強させてください。末永く営業できる環境・条件であることを心底、祈っています。
[PR]

by todoroki-tetsu | 2009-04-30 17:07 | 運動系 | Comments(2)

ベルク@朝日新聞

 昨日1/15の「朝日」、ベルク店長の井野さんが登場されていてびっくりした。

 これまでも「最後の決め手はお客様」、また直近では二回にわたって井野店長のお話をじっくりと拝見することが出来たけれども、全国紙に出た意味は大きいだろう。

 これを機会に『新宿駅最後の小さなお店 ベルク』がさらに売れて欲しいな、という思いはもちろんある。が、それだけではなく、接客に携わる者として、井野店長の姿勢のブレのなさ、言葉だけの「お客様第一」ではなくて、プロとしてお客様と真剣に向き合う姿は本当に勉強になる。

 こういうお店が、商売が、明確な理由もなく続けられなくなってしまうとしたら、やっぱり、何かがおかしい、と思う。

 
[PR]

by todoroki-tetsu | 2009-01-16 23:08 | 運動系 | Comments(0)

『新宿駅最後の小さなお店ベルク』入荷&読了

 『新宿駅最後の小さなお店ベルク』、発売より少し早く、無事入荷。仕事を終えた後一気に読了。 迫川さんの写真がふんだんに収められていて何とも贅沢。

 土井英司さんが随分早くから【今、一番売れてほしい本】絶賛されておられたが、一読してその意味がよく分かった。

 こういう本は、完全にノウハウに特化するか、「オレ話」に終始するか、そのどちらかになってしまう公算が高い。が、この本はそのあたりのバランスが絶妙。「ベルク」という個人店、それもとびきり個性的なカフェの話でありながら、そうした経営に到るまでの、そして今なお続く不断の努力がいきいきと描かれているために、個人店を語っているのでありながら、どんな場所・立場にも共通する普遍性が感じ取れるつくりになっている。

 いちいち身につまされながら読んだのは、「不器用なスタッフほど成長していく」という節(p.198-213)。クレーム対応、遅刻するスタッフへの叱り方、シフトの組み方……。20ページにも満たない分量だが、こんなにいきいきとした実例を豊富に取り上げ、実践的だった本があっただろうか?

 接客についてはもちろんここでだけ触れているのではなくて、例えば、こんな記述もある。
 
(前略)現場での臨機応変さは、プロとして当然求められる技ですが、秘訣をあえていえば「横綱相撲」のイメージで接客すること。/「横綱相撲」とは、どんな相手がどんなふうにかかってきても、がっしり受け止めて差し上げること。それには懐の深さといいますか、心身ともに余裕がないと、擦り減ってしまいます。(P.78-79)


 そうか、「横綱相撲」か! こういう言葉は接客技術本からはなかなか出てこない(もちろん、そういう本も大事ではある)。やはり現場に立っている人の言葉の重みは違う。

 さらに、こんな言葉がある。

「例えば四人席を一人客が陣取っているのを見ると、経営者はそのお客様をつい別の席に移動したくなります。(中略)でも、その一人客が帰るまでに団体客が来るとは限りません。経営者は席にしろ何にしろ、店そのものが自分の商売道具という意識が強いので、愛情はあるのでしょうが、思惑と違った使われ方をされるのが許せないのです。相手がお客様であっても、つい手を出したくなる。/しかし、それでは経営者が現場にいても、いることにはなりません。なぜなら、現場とは接客だからです。接客をしないで店をまわす経営者は、むしろ現場を邪魔することになります」(p.71-72)


 「現場とは接客」! この断言のなんと歯切れの良いこと! 自分は経営者ではもちろんないけれども、こうしたことを忘れてはいけないと思う。

 他にもまだまだ勉強になることが盛りだくさん。飲食の方はもちろんのこと、接客・小売に関わる人すべての必読書。さ、売るぞ!
[PR]

by todoroki-tetsu | 2008-07-04 00:11 | 運動系 | Comments(0)

『個人店が生き残るには?(仮) 新宿駅最後の小さなお店ベルク』

 P-vine booksさんの新刊案内コーナーにはもうアップされてるようだ。僕はベルクの店頭で少し前に知った。一時期よりも頻度は落ちたが、それでもかなりのペースで仕事帰りに立ち寄っている。貴重な憩いの場である。

 ブログでの標記とは、メインタイトルとサブタイトルが入れ替わっているのだが、ベルクを知っている人にとっては「新宿駅最後の小さなお店ベルク」がメインのほうがしっくりはくる。が、知らない人に手に取ってもらうとすると……。難しい問題だ。

 商売柄、タイトルについて迷っている、なんていう出版社さんから意見などを求められてしまうこともなくはない。ほんと、タイトルは難しい。

 が、何はともあれベルクである。仮にも小売店に勤めるものとして、オーナーとの関係の難しさは身にしみている。この間のルミネとの攻防は大変だったと思うし、まだ予断は許さぬ状況でもあるのだろう。

 仕事帰りに軽く一杯やるのにこんなにほどよい場所はない。距離感が最高によいのである。僕のような偏屈者は一人で一杯引っ掛けて帰ればよいし、仲間と連れ立って来たい人も、一人でやって来て仲間と語り合う人もOK。要するに、懐が深いのである。

 朝や昼だとまた客層が違うので何ともいえないが、僕のもっともよく行く22:00台はちょっとしたカオス状態(やかましいわけではない)で、それがまた良い。

 「職人」という言葉の良く似合う空間だと思う。別に客にお愛想を言うわけではないし、その意味で余分なサービスは一切ない。淡々と良い仕事を目指している、という感じ。

 どんな本の内容だか、全く分からない。が、きっとビジネスを見直すきっかけを与えてくれる本になっているものと信じている。一ファンとして、しっかり展開してみようと思う。

 
[PR]

by todoroki-tetsu | 2008-05-20 00:02 | 運動系 | Comments(0)