カテゴリ:運動系( 29 )

吉越浩一郎『ムダな仕事はもう、やめよう!』~ビジネス書×労働の視座について

 珍しくビジネス書系を続ける。しかも吉越さんがらみで。

 『ムダな仕事はもう、やめよう!』、率直なところ、『デッドライン仕事術』、『残業ゼロの仕事術』などを越えるほどの大きなインパクトがあるかといえば、そうでもない。が、「第1章 仕事で幸せになる考え方」「第5章 『仕事の常識』を疑う人が成長する」「第6章 工夫しだいで、仕事力は誰でも高められる」などは前著でも触れられていたこととはいえ、より詳しく展開されているように思われた。

 サブタイトルには「残業するほどヒマじゃない。」とある。こっちをメインタイトルにしてもよかったのではないか、と思うくらいグッとくる。

 そうなのだ。残業=がんばってるなんて時代はとうに終わっている。密度の濃い仕事をして、定時であがり、疲れをその日のうちにとってリフレッシュする。そんな当たり前のことができるようになれば、ずいぶんと職場もスタッフもかわるはずなのだが。

 オフィス仕事を前提にしているので当然書店のような現場で即応用できることは限られる。が、工夫次第でいろいろと真似できることはあるはず。もっと自分の一日の仕事の組み方を見直さなきゃ。まずはそこから、と。

 ところで、こうしたビジネス書と、いわゆる労働問題とをうまく重ね合わせられるような視座はないのだろうか? 業務の効率化はほぼ必然的に人件費削減(≠人員削減、のはずだが、実質は同義か)に結びつく。こうしたことと、雇用のありようの問題とはどう関わってくるのだろうか。

 例えば、僕が職場で何かしらの工夫というか仕事の仕組みを作って、それなりに効率化出来ることが生まれたとする。学生さんのアルバイト=学校を卒業するまで、というスタッフが大多数なので、アルバイトさんについては辞めたら補充採用はしませんよ、というような形にはなり得るだろう。学生さんには申し訳ないが。

 この論法で、正社員や契約社員についても、辞めたら補充採用なし、ということは十分にありうる。こうしたことが積み重なっていった場合、「非正規雇用を正規雇用に」という問題はどうなるのだろうか?

 層というか次元というかレイヤーというか、整理すべきことを整理できずに思いついたままに記してしまっているのだけれども、要するに、なんかこう、例えばこうしたビジネス書を読んでいる時の自分の脳と、例えば「POSSE」を読んでいる時のそれとは、どっか違うような気がするのですね。

 それがいいことなのか悪いことなのかもよく分からず……。

 
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by todoroki-tetsu | 2008-10-13 22:43 | 運動系 | Comments(0)

アブラショフ『即戦力の人心術』

 あーあ、土井英司さんが読売で紹介される前にはもう読み終えていたのになぁ。面白いと思って、いや、もうちょっと様子を見ようかな、と思っていたのがまずかった。すぐに動くべきだったのだよな……と自分の目利きの弱さを嘆く。いや、相変わらず品切れ状態の続く『即戦力の人心術』のこと。

 土井さんの簡潔にして的を射たコメントに付け加えることは何もない。自分の実感だけを少し。

 アブラショフさんがやってきたことをどれかひとつでも実践できれば、自分の職場は少しでも改善できるに違いない、と、ちょっとでも実行に移せることはないか、と考えている。もっとスタッフをほめなきゃいけないな、とまず思ったし、今少しづつではあるが努力している。いやあ、難しいなあ、褒めるって。でも、何からなりと手をつけないことにはよりよい職場には出来ないと思うので、頑張る。

 こまごましたことでいろいろとTTP(徹底的にパクる:吉越さんの造語)出来そうなことは山ほどあるのだが、その中でより本質的で、かつ重要だなと思ったのは、自分の職場=チームをどう描いていくか、ということ。本文にはこんな箇所がある。

 
「ベンフォルドを海軍で最もすぐれた艦にしようと決意した私は、そのことを部下たちに繰り返し言った。すると、ついには彼ら自身もそう願うようになったのだ。私は部下たちに、艦を訪れるすべての人に対して、その人物と目を合わせ、握手をし、微笑み、『海軍で最もすぐれた艦へようこそ』と言って迎えるようにしてほしいと伝えた」(P.58)


 一歩間違えると傲慢極まりないのだけれども、謙虚さを持ち合わせつつ十分に根拠ある自信(自負? 矜持?)を持ったチームでありたい、と思う。どんなスローガンがいいのか、まだよく分からないのだが、自分たちを誇りに思えるような、そんなチームを目指したい、と思う。
 
 吉越浩一郎さんが訳されているが、おそらく、吉越さんの実感も訳に反映しているんじゃないだろうか、と思う。いわゆる学術書だとまた事情が違ってくるのだろうが、こうした本は経営現場で実践を積んだ人が訳に携わってくれると実に読みやすい。これは平易ということではなくて、彼我のビジネス環境の違いを肌身で分かっているから、おのずとそうした点を考慮して日本の読者に伝えようとするからではないか、と。まったくもって憶測だが。

 来週というか今週末にはたぶん重版が上がるはず。ガッツリ売るぞ!
 
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by todoroki-tetsu | 2008-10-13 00:05 | 運動系 | Comments(0)

『魂の仕事人』、読了

 ちょっと仕事上のことで思うところあり、働きかた本を物色。入ってきたばかりの『魂の仕事人』が目に留まる。要するに、インタビュー集である。
 
 よくあるキャリア本/転職本かと思いきや、初っ端が伊勢崎賢治さん。なんじゃこりゃ、と思わず買ってしまった。

 こういう本は成功企業の例を紹介した本と同じく、成功した結果を跡付けているだけであって、それはそれとして力のある言葉なのだと思うのだけれども、少しさっぴいて聞かなきゃいかんかな、という気も一方でする。

 だが、伊勢崎さんにはじまり、森達也さんやら雨宮処凛さんやらといっしょに大勝軒の山岸一雄さんや野田義治さんなど個性派ばかりの面々が集い、締めはあの竹熊健太郎さん。よくこんなセレクトをしたものだ、と思う。この強烈さを味わうだけでも価値がある。

 ありがちというか、定番の分野であるだけに、類書でも『働く理由』や『働くということ』といったロングセラーも少なくない。あえてどう差別化するかは難しい。ひょっとするとキャリア本というよりも、ルポとして捉えたほうがいいのかもしれない。この本で初めてお名前を知った人が少なくない。

 高校生なら十分に読める内容だと思う。これから働こうと考える若い人にまずはオススメしてみたい。ひょっとすると、格好の職業教育のテキストなのかもしれない。
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by todoroki-tetsu | 2008-07-14 00:03 | 運動系 | Comments(2)

『新宿駅最後の小さなお店ベルク』入荷&読了

 『新宿駅最後の小さなお店ベルク』、発売より少し早く、無事入荷。仕事を終えた後一気に読了。 迫川さんの写真がふんだんに収められていて何とも贅沢。

 土井英司さんが随分早くから【今、一番売れてほしい本】絶賛されておられたが、一読してその意味がよく分かった。

 こういう本は、完全にノウハウに特化するか、「オレ話」に終始するか、そのどちらかになってしまう公算が高い。が、この本はそのあたりのバランスが絶妙。「ベルク」という個人店、それもとびきり個性的なカフェの話でありながら、そうした経営に到るまでの、そして今なお続く不断の努力がいきいきと描かれているために、個人店を語っているのでありながら、どんな場所・立場にも共通する普遍性が感じ取れるつくりになっている。

 いちいち身につまされながら読んだのは、「不器用なスタッフほど成長していく」という節(p.198-213)。クレーム対応、遅刻するスタッフへの叱り方、シフトの組み方……。20ページにも満たない分量だが、こんなにいきいきとした実例を豊富に取り上げ、実践的だった本があっただろうか?

 接客についてはもちろんここでだけ触れているのではなくて、例えば、こんな記述もある。
 
(前略)現場での臨機応変さは、プロとして当然求められる技ですが、秘訣をあえていえば「横綱相撲」のイメージで接客すること。/「横綱相撲」とは、どんな相手がどんなふうにかかってきても、がっしり受け止めて差し上げること。それには懐の深さといいますか、心身ともに余裕がないと、擦り減ってしまいます。(P.78-79)


 そうか、「横綱相撲」か! こういう言葉は接客技術本からはなかなか出てこない(もちろん、そういう本も大事ではある)。やはり現場に立っている人の言葉の重みは違う。

 さらに、こんな言葉がある。

「例えば四人席を一人客が陣取っているのを見ると、経営者はそのお客様をつい別の席に移動したくなります。(中略)でも、その一人客が帰るまでに団体客が来るとは限りません。経営者は席にしろ何にしろ、店そのものが自分の商売道具という意識が強いので、愛情はあるのでしょうが、思惑と違った使われ方をされるのが許せないのです。相手がお客様であっても、つい手を出したくなる。/しかし、それでは経営者が現場にいても、いることにはなりません。なぜなら、現場とは接客だからです。接客をしないで店をまわす経営者は、むしろ現場を邪魔することになります」(p.71-72)


 「現場とは接客」! この断言のなんと歯切れの良いこと! 自分は経営者ではもちろんないけれども、こうしたことを忘れてはいけないと思う。

 他にもまだまだ勉強になることが盛りだくさん。飲食の方はもちろんのこと、接客・小売に関わる人すべての必読書。さ、売るぞ!
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by todoroki-tetsu | 2008-07-04 00:11 | 運動系 | Comments(0)

鈴木敏文『朝令暮改の発想』読了

 今更ながら、鈴木敏文さんの『朝令暮改の発想』を読了した。セブンイレブンについて、あるいは鈴木さんについて書かれた本は色々あるけれども、やはりご自身の記されたものがいい。本書もどなたかがかなり編集をされているのだとは思うが、小売業に携わるものにとって必読であるのは間違いない。

 読むたびに色々気づかされることが多い。例えば、

 「発注は小売業にとって意志の表れです。」(P.184)

 という言葉。単品管理を徹底してきた鈴木さんから発せられる言葉だけに、当たり前の言葉が当たり前に聞こえず、むしろ新鮮である。

 要するに、僕自身徹底できていないということだろう。配本システムを前提としている商売であるのが本屋であって……などという言い訳は通用しない。

 もちろん、気にかかる新刊はなるべく事前に動いたり、また情報を得るためにも編集者――営業さんに話が来ている段階ではもう遅い、というときもなくはないし、営業さんにもよるけれども、やはり作り手のナマの言葉を聞くのと聞かないのとでは力の入れようが違う――に連絡を取ることもある。

 でも、そんなことをしているのはほんのわずかでしかない。

 その「わずか」を、少しでも広げていけたら、と思う。
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by todoroki-tetsu | 2008-06-12 23:34 | 運動系 | Comments(0)

『個人店が生き残るには?(仮) 新宿駅最後の小さなお店ベルク』

 P-vine booksさんの新刊案内コーナーにはもうアップされてるようだ。僕はベルクの店頭で少し前に知った。一時期よりも頻度は落ちたが、それでもかなりのペースで仕事帰りに立ち寄っている。貴重な憩いの場である。

 ブログでの標記とは、メインタイトルとサブタイトルが入れ替わっているのだが、ベルクを知っている人にとっては「新宿駅最後の小さなお店ベルク」がメインのほうがしっくりはくる。が、知らない人に手に取ってもらうとすると……。難しい問題だ。

 商売柄、タイトルについて迷っている、なんていう出版社さんから意見などを求められてしまうこともなくはない。ほんと、タイトルは難しい。

 が、何はともあれベルクである。仮にも小売店に勤めるものとして、オーナーとの関係の難しさは身にしみている。この間のルミネとの攻防は大変だったと思うし、まだ予断は許さぬ状況でもあるのだろう。

 仕事帰りに軽く一杯やるのにこんなにほどよい場所はない。距離感が最高によいのである。僕のような偏屈者は一人で一杯引っ掛けて帰ればよいし、仲間と連れ立って来たい人も、一人でやって来て仲間と語り合う人もOK。要するに、懐が深いのである。

 朝や昼だとまた客層が違うので何ともいえないが、僕のもっともよく行く22:00台はちょっとしたカオス状態(やかましいわけではない)で、それがまた良い。

 「職人」という言葉の良く似合う空間だと思う。別に客にお愛想を言うわけではないし、その意味で余分なサービスは一切ない。淡々と良い仕事を目指している、という感じ。

 どんな本の内容だか、全く分からない。が、きっとビジネスを見直すきっかけを与えてくれる本になっているものと信じている。一ファンとして、しっかり展開してみようと思う。

 
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by todoroki-tetsu | 2008-05-20 00:02 | 運動系 | Comments(0)

プチ資産運用? 『「無税」入門』

 時期はずれに思えるかもしれないが、そうでもない。

 広義の資産運用と考えてよさそうな一冊なのである。

 サブプライムの影響を引きずってか、株本の動きが鈍くなって久しい。FXやアジア株の本はそれなりに動いているが、株本は苦戦を強いられている。

 そんな中、誰でも出来そうかも、と思わせるのが『「無税」入門』である。勤め人でも、ちょっとした手続きで、天引きされた税金を取り戻すことが出来るのだ! 著者は37年間で都合900万円の税金を取り戻している。1年当たり25万弱だが、これってリアルにうれしい金額では?

 そのカラクリは読んでいただくにしくはない。100ページ少々の薄い本だが、刺激的である。国に対する冷静な目、自分の生活をきっちり守ろうとする著者の意図に喝采。

 但し、税金がゼロになることを会社は確実に気づく。自分が今勤めている会社がどういう判断をするかには要注意、とちゃんと記されている(p.25-27)。

 読んだのは昨年秋だが、未だに実行に移そうか悩んでいる。うーん。

 
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by todoroki-tetsu | 2008-05-16 11:46 | 運動系 | Comments(0)

『A4一枚勉強法』読了

 必要に迫られて、三木雄信さんの『A4一枚勉強法』を読む。

 朝の出勤途中に読了、正味20分程度か。久々に「速読」気味で読む。前作『「A4一枚」仕事術』を読んでいないので何ともいえぬが、何かやれそう、という気にはさせてくれる。まあ、それでやれるのであればこんなに勉強法の本が出るわけはないのだけれど。

 しかし、この「A4一枚」というキャッチフレーズは確かに身近な感じがしていい。『情報は1冊のノートにまとめなさい』が売れているのも、こうした「身近さ」というか「アナログさ」によるものだろうか。

 メールを送るとA4シートがダウンロード出来るそうだ。早速試してみようと思う。
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by todoroki-tetsu | 2008-04-29 00:09 | 運動系 | Comments(0)

「週刊ダイヤモンド」4/26号:特集「営業力実践トレーニング」

 普段の勉強不足を恥じ、いわゆるビジネス雑誌を最近少し注意するようにしている。別段毎回買うわけではなく、ちょっとしたきっかけなり、スキマ時間で読む程度なのだが。

 普段仕事しているのが店なので、あまり営業といわれるとピンとこないのだが、売上を後一歩伸ばそうと考えるとどっからなりと手をつけねば、という気になってくる。

 読み流したところ、ひっかかるところなど色々あるが、神田昌典さんの「たとえ商品は同じでも、サービスを変えればどんな会社も‘オンリーワン’になれます」(p.35)というのは、当たり前なのだろうけれどもなるほどとは思う。

 じゃあ自分のところでどうするんだい、というのが一番問われるわけで、そこでまた考え込んでしまった。

 例えば、僕は京都の恵文社が大好きなのだけれども、行く度に何かは買ってしまう。東京から行っているのでなんとなく「旅の記念」的なこともあるのだろうが、なんか「恵文社で買いものをした自分ってステキ」(笑)みたいな感覚はある。

 いわゆるセレクトショップなので余計にそういう感覚は強いとは思う。そうやすやすと真似できるものではないけれども、せっかくうちの売場に来てくださったお客様には、なんかこう、プラスアルファの「何か」を提供せねば、と考え続けている。
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by todoroki-tetsu | 2008-04-25 01:27 | 運動系 | Comments(0)