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「独立系硬派雑誌」について

 昨日11/2(日)の「朝日」にて、竹信三恵子さんが「独立系硬派雑誌」というくくりかたで「ロスジェネ」「POSSE」「フリーターズフリー」などを紹介されている。シノドスなどにも言及されており、幅広くフォローしている印象を受けた。

 本屋としてはこの間実感している動向ではあるので、なるほどと思いつつ読みながらふと考えた。

 発行されている皆さん、採算は取れているのだろうか?

 自分の店では取次扱いのものはもちろん扱っているし、「POSSE」や「オルタ」は直扱いをさせて頂いている。

 細かい数字はここでは記さないが、それなりに売れてはいる。が、莫大な数というほどではない。この点、「思想地図」はちょっと別格な売れ方であった。

 もちろん、自分の店以外でも他の経路があるのだろうし、またいろんなつながりやイベントなどで「手売り」したりすることもあるのではないかと思う。が、硬い言い方をすれば、諸々の「イデオロギー」「主張」「意見」「考え方」が「形」≒「商品」となって立ち現れるのが本屋の棚。こうしたところでどう見せるか、どう売るか、と、本屋の仕事としては考えなくちゃいけない。

 「独立系硬派雑誌」を本屋で目立たせる際のメリット、一言でいえば「商材の多様化」ということに尽きる。多様な主張をしっかり見せることで顧客の選択肢を増やすことができるし、それが店頭の活性化につながる。集客効果は少なくない(もちろん店にもよると思うので一概には言えない)。

 ただ一方で、販売絶対数はやはり少ないのであって、集客機能を果たしてくれていることに対して「ご恩返し」をしなくちゃ、という気持ちだけはある。今のところ思いつくのは、雑誌そのものを売るだけでなく、発行/寄稿している著者や団体の著作もあわせてしっかり売る、ということくらいだろうか。

 雑誌発行者の方々からすれば、書店は数ある販売チャネルのひとつにすぎないだろう。そして、正直なところ、こちらも利益を多少なりとも得たい。雑誌発行者方々から見て、「本屋に卸すと直接販売よりは利益は落ちるが、それに見合うだけの効果はある」と思ってもらえるようなパターンを作り出せないかな、と考えている。色々なことを試してみたい。

by todoroki-tetsu | 2008-11-03 09:29 | 業界

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