『軋む社会』、読了

 本田由紀さんの『軋む社会』、読了。本田さんは名文家だ、とつくづく思う。

 前半までの感想は少し記したが、後半も粒ぞろい。

 「Ⅲ 働くことの意味」と「Ⅳ 軋む社会に生きる」は、阿部真大さんの議論を適切に広げ、発展させていて、建設的な議論のお手本を見た気がした。

 読み始める前には異色に思えた鼎談「ハイパー“プロ文”時代がやって来た!」もいい。色んなことを本田さんは語っておられるのだが、印象深かったのは下記の発言。

 「いま、集団という言葉を使っていますが、組織とか党ではなくて、新しいかたちでの場の共有というか、かつての一九二〇年代のプロレタリアのころにはとてもむずかしかったかもしれないゆるいつながりというものが、現代においてはすこし可能性が出てきているのかもしれませんね。偶然であったり、不透明であったりする出会いが、弾力性と厚みのあるものとして続いていくのは、もしかすると現代のほうかもしれない」(p.213)

 『ロスジェネ』が今えらい勢いになっているが、あのカオスを目の当たりにすると本田さんの言わんとするところがなんとなくイメージできる気がする。

 6/27(金)の「ロスジェネ」のイベントに本田さんがいらっしゃったら面白かったかも……。残念なことに当日は三省堂での別のイベントかぁ。上野千鶴子さんとの対談って、すんごい面白そう。その前の6/14(土)の広田照幸さんとの対談も硬くてよさそうだし。ああもう体が二つ三つ欲しい……。

 
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by todoroki-tetsu | 2008-06-06 23:07 | 業界 | Comments(0)

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