『思想地図』読了

 かきいれ時の4月だというのに日曜日に休んでしまった(別の日にちゃんと出勤します)。ちょっとこの間いろいろあり、ここでちゃんと本を読まないと気力が持続しそうになかったので、強引に。

 というわけで、「思想地図」を読了しました。着手から24時間以内の読了なので、まあ、一気読みの部類に入るかな、と。とかく盛りだくさんで、これで¥1,575は安い。5月末発売の「ロスジェネ」が¥1,365なのを考えると、無茶苦茶に安い。さすがNHK、というよりも、かなり無理したのではなかろうか。

 値段にこだわるのは、目の前でお客様が買ってくださる現場に僕が身をおいているからということもあるだろう。価格設定は「誰に、どう届けたいと考えているか」が問われるポイントで、このことは雨宮処凛さんが「ゴー宣」について書いたり話したりする時によく言及されることでもある(「ゴー宣が連載されている週刊SPA!は370円で買える」。このことは「ロスジェネ」について記す時、あるいはまた別の機会にちゃんと記します)。だからといって安ければ売れる、というもんでもない。僕の感覚からは、¥1,785であれば売上数はさほど変わらないし、それくらいは取っていい内容だと思う。

 価格設定についてはちゃんと真偽のほどは確かめたいと思う(答えてくれるかどうかは別だけれども)。なぜこんなことを言い出したかというと、どんな読者を想定しているのだろう? というのが気になったのですね。

 僕の不勉強といえばそれまでですが、「コード人事」(p.100)、「エラスムス・プロジェクト」(p。115)、「QOL」(p.300)といった用語には注釈が欲しいし(見落としだったらごめんなさい)、引用文献(参照文献ではない)はやはり該当ページをちゃんと明記して欲しい。明記しているものもあるけれども、特に芹沢さんの論文は気になる(これは内容の評価とはまた別の話。よくまあコンパクトにこれだけまとめたものだ、と改めて芹沢さんのすごさ――直近の二つの事件への言及も含めて――を感じました)。

 もちろんこれは書いた当人の問題ではなく、編集者(編集委員ではない)の問題だと思う。こうしたところがもう少し丁寧であれば、「思想地図」を手がかりにさらに勉強していこうという若い人により親切なのではなかったか、というのが率直な感想。

 内容についてはどれも面白く読みましたが、一番勢いというか熱気を感じるのは共同討議「国家・暴力・ナショナリズム」です。当たり前といえば当たり前のことではありますが、ここで出された論点は幅広く、議論の密度はきわめて濃い。今後この「三題噺」にアプローチしようとする際、誰もが手がかりにしうるし、またしなければならないような、そんな位置づけになるような気がします。

 他にも面白いと思ったところはいくつもあるのですが、それらはまた改めて。
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by todoroki-tetsu | 2008-04-28 00:23 | 業界 | Comments(0)

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