「『非正規雇用の増加』が背景に」

 今朝9/17(土)の「毎日」、「気軽な書き込み 『炎上』呼ぶ恐れも ツイッター、ブログ注意必要」の記事。自分の勤める店でも細々とツイッターをやっていたりするので他人事ではない。

 
 そう思って眺めていて、弁護士岡村久道さんのコメントに目がとまる。「『非正規雇用の増加』が背景に」とタイトルにある。コメントの一部を引こう。

 
 こうした騒動(従業員が勤務先やホテルに「有名人が来た」などと投稿すること)が目立つようになったのは、飲食店やホテルなどに非正規雇用が増えている現状と「合わせ鏡」と言えるのではないか。



 ここに、何か手がかりを感じる。岡村さんがどこまでをお考えの上でこうした発言をされたのか、これ以上コメントの中から探ろうとするのは難しいと思う。以下はあくまでこれをきっかけにした僕の考え。

 
 それは、「こうした騒動」をおこす人=「非正規雇用」とは捉えないようにしようということ。「非正規雇用」が増えている職場の「情況」がかかる騒動を生みだす、そう考えようとすること。

 
 しばしば僕の職場でもクレームやトラブルが起きる。契約スタッフが引き起こしたものだとあたかも「契約スタッフだから悪い」みたいな物言いがなされる。偉い人からもそうだし、場合によっては現場の一部もそうだ。しかし、冷静に考えてみれば、所謂正社員をバカスカ削り、その分を契約スタッフで補っている以上、顧客と第一に接するそのほとんどが契約スタッフなのであって、接する機会が多ければ多いほど、クレームは発生しうる。それは正社員であるか契約スタッフであるかにかかわらず、単純に、接客数の問題が根底にある。

 
 そして、かかるクレームやトラブルが起きた時、やれ教育だの管理だのと言われるわけだが、それは具体的に誰が実行することになるのか? 現場の正社員に他ならない。かくして正社員が負うべき仕事は増える。ただ仕事が増えるだけならまだよいのだが、暗黙のうちに責任だけが増えていく、えらい人からも契約スタッフからも。


 そうなると正社員がとるべき道は限られる。大きくいって、二つしか道はない。ひとつめは居直りとでもいうべきだろうか、「自分は正社員であって契約スタッフとは違う」というもの。俺はあいつらとは違うんだ、というわけだ。ふたつめは、「何とかえらい人とも契約スタッフともうまくやっていこう。それは自分の仕事だ」というもの。そのどちらもストレスがたまる。精神的にシビアな状態になっていく正社員が減る気配は感じない。

 
 1年ごとに契約更新のあるスタッフのストレスも相当にあるだろう――これは僕にはただもう想像するよりほかないことだ――、だから「正社員だって苦しいんだ」とだけ言うつもりはない。正社員でもあり、またささやかながら役職に伴う権限を有する自分が口にするのは甘いと言われるかもしれないが、このままいくと正社員も「もたない」んじゃないか、とは思う。だから正社員を守れ、などとは言わない。みんなにとってよりましな情況を作り出すことは出来ないのか、と思うのだ。


 では、どうするか、と考える前に、もう少し自分の立ち位置を見直してみたい。それは例えば、小林美希さんの『ルポ“正社員”の若者たち―就職氷河期世代を追う』(岩波書店)を読みながら「自分の職場はここであげられているほどひどくはない」と、共感よりも違いを見つけ出すことで安堵を得ようとする心性であったりする。


 ごまかしがきかない領域に、踏み込んでいかねばならないだろう。耐えられずにすぐさま逃げ出しそうな気もするが、しかし。
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by todoroki-tetsu | 2011-09-17 08:07 | 業界 | Comments(0)

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