買切品について考える その一

 なんとなく、買切の本のこととかについて考えてみたくなったので計算をはじめてみました。どっかで誰かがやっているんだろうとは思うけれども、自分で手と頭を動かしてみないとという気もしたので。

〔基本条件〕
・仕入の元手は¥100,000
・委託品A 販売価格¥1,000 仕入値¥770 
・買切品B 販売価格¥1,000 仕入値¥600 
・返品にかかる諸経費 一冊当たり¥50(これは適当。もっと大きいかもしれない)
・仕入にかかる諸経費は除外する(一応取次さん持ちと考える)
・返品/仕入の諸経費ともに人件費は除外
・返品入帖までのタイムラグは考慮外
・消費税は除外


〔例1:委託品Aを100冊仕入れ、これが50冊売れ、残り50冊を返品した場合〕
¥100,000
-¥770×100(仕入)
+¥1,000×50(売上)
+¥770×50(返品入帖)
-¥50×50(返品諸経費)
=¥109,000

 となり、¥9,000の黒字。ちょっと返品率が高そうですが、ひとまずこれを現状と考えてみます。

〔例2:買切品Bを100冊仕入れ、これが50冊売れ、残り50冊を除却した場合〕
¥100,000
-¥600×100(仕入)
+¥1,000×50(売上)
-¥600×50(残部除却)
=¥60,000

 となり、¥40,000の赤字。もちろん現実には即除却ということはなく、値引きして販売も行いますし、一応は「資産」ではあるのでしょうけれども、売れないことには仕方ないのでまずはこれを基準にして考えてみたいと思います。

 もっと売れる商品だったとしたら?

〔例3:委託品Aを100冊仕入れ、これが75冊売れ、残り25冊を返品した場合〕
¥100,000
-¥770×100(仕入)
+¥1,000×75(売上)
+¥770×25(返品入帖)
-¥50×25(返品諸経費)
=¥116,000

 黒字は¥16,000。だいぶ儲けが出てきました。

〔例4:買切品Bを100冊仕入れ、これが75冊売れ、残り25冊を除却した場合〕
¥100,000
-¥600×100(仕入)
+¥1,000×75(売上)
-¥600×25(残部除却)
=¥100,000

 利益ゼロ。寝てた方がましです。

 もう少し販売数を増やしてみましょう。

〔例5:委託品Aを100冊仕入れ、これが80冊売れ、残り20冊を返品した場合〕
¥100,000
-¥770×100(仕入)
+¥1,000×80(売上)
+¥770×20(返品入帖)
-¥50×20(返品諸経費)
=¥117,400

 利益は¥17,400。当たり前ですが、着実に利益が増えています。ちょっと楽しいです。

〔例6:買切品Bを100冊仕入れ、これが80冊売れ、残り20冊を除却した場合〕
¥100,000
-¥600×100(仕入)
+¥1,000×80(売上)
-¥600×20(残部除却)
=¥108,000

 利益は¥8,000。ようやくちょっと利益が出ました。でも、これでも委託品Aを50冊売って残りを返品するものと考えた〔例1〕の利益に及びません。


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 言わずもがなですが、仕入精度を上げないと買切条件に見合うだけの利益は出ない。では、どの程度の「精度」が必要なのか、と思って計算してみたのでした。
 
 粗利40%の買切商品は、消化率75%では利益が出ない。同80%だったとしても、粗利23%の委託品を50%消化した時の利益に及ばない……。

 今週はほぼ毎日200アイテムを超す新刊が入ってきました。月末・年度末なので比較的多いわけですが、少ない日でもやはり100アイテムくらいは毎日あります。もちろん、全部が全部買切なんてことはすぐにはならないでしょうけれども、この新刊点数でこの仕入精度は厳しいな、という感覚はあります。

 買切だったらもっと粗利がないとやってけないなあ、とか色んな事を考えますが、もう少しあれこれの計算を試みてみようと思います。
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by todoroki-tetsu | 2010-03-27 16:03 | Comments(0)

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