高原基彰『現代日本の転機』読了

 twitterでつぶやいてみたシリーズ第二弾、いろいろ迷って高原基彰さんの『現代日本の転機』にした。タグは#ISBN9784140911402としてみたが、どうも長い。難しいものだ。

 さて、部分的な感想はtwitterに譲るが、全体的な読後感を。そう指摘されることはあまり望まれないかもしれないけれども、この世代(1976年生まれ)ならでは、という感触はある。目の前で「右バージョンの反近代主義」が崩壊してく過程を見てきた感覚、といえばいいだろうか(もっと若い世代はいろんなものが崩壊したガレキの山を見ているのかもしれないが、そこはまだよく分からない)。

 しかし、記述はより普遍的だ。テキストのお手本のごとくかつての議論は簡潔に整理されており、幅広い世代・立場にとって交通整理にもってこいの一冊となっている。定番書として定着させたいし、学生さんはもちろんのこと、ビジネスパーソンに広げられないか、模索したい。これは書店員としてチャレンジせねばならぬ課題だ。

 高原さんに限らず、この前後の世代の書き手は数年前なら「若手論客」としてくくられただろうけれども、今はそのくくりは通じない。「ゼロ年代」というくくりは、書店店頭ではすでに陳腐なものとなった。具体的に何が言えるのか? 特により若い世代に対して、何を? それが問われているように思えてならない。筑摩書房さんの双書ZEROの眼目もここにあるのだろう(同時に、商売人としてみれば「単行本の新書化」傾向の巻き返し、という文脈もあると考えている。それはまた機会があれば記す)。高原さんは見事にそれをなしたと思う。

 もちろん、これからも仕事を重ねていかれるだろう。どんな方向に向かわれるのかは分からないけれども、大いに期待したい。
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by todoroki-tetsu | 2009-10-05 23:55 | 業界 | Comments(0)

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