西城戸誠『抗いの条件』

 ジョン・ホロウェイさんの『権力を取らずに世界を変える』とか、高祖岩三郎さんの『新しいアナキズムの系譜学』だとか、廣瀬純さん×コレクティボ・シトゥアシオネスの『闘争のアサンブレア』だとか、今年に入ってもいわゆる運動系の本は色々と出ていて、内容はもちろん面白いし、そこそこに売れていたりもする。良いことだ。

 いろんな思想や運動をいかに使うか? という観点から見れば、これらはある種の「実用書」の趣がある。全然タイプは違うだろうけれども、宮台真司さんの『日本の難点』もちょっと似た雰囲気を感じる。

 こうしたテイストも大好きだが、西城戸誠さんの『抗いの条件』のような硬派な研究書も実に味わい深い。出版されたのは昨年秋と、本屋の店頭としては扱いに実に微妙なところではあって、派手なことはしなくてもいいからしっかりと陳列しておくこと、が今後ロングセラーになるかどうかの分かれ目と言えようか。

 西城戸さんは、この分野では稀有にして唯一といえるテキスト、『社会運動の社会学』の著者の一人。まだきっとここに集った方々の中からいろんな成果が出てくるだろう。ここで中心のテーマとなっている「運動文化」という視点、きっと実践の場でも有効に違いない。

 研究と実践との関係を考える上でも大いに刺激になる一冊。

 
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by todoroki-tetsu | 2009-04-28 23:36 | 業界 | Comments(0)

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