廣瀬純×コレクティボ・シトゥアシオネス『闘争のアサンブレア』読了

 年度末からなにかとバタバタしてあげくのはてにこんなに更新が滞ってしまった。この御時世、忙しいということはありがたいことだと思わねばならん……とも思わないのだが、あまり深く考えないことにする。失業が怖くてあくせくしているだけなのかもしれない。よく分からない、とヴェイユを読み返したくなる今日この頃。えらく初速がいいな、とちょっとうれしくなって思わず読了したのが『闘争のアサンブレア』。帯にある惹句、「ハローワークか、アサンブレアか。」が実にいい。

 アルゼンチンのことなど予備知識も何もない。しかも、ここで収録されている内容のほとんどが、2003年のものだという。うわ、こりゃ失敗したか、と思いきや、ぐいぐいと引き込まれてしまった。

 読み終えた後も、結局のところディティールはよく分からないままである。それはひとえに僕の読み方の問題であって本のせいではない。でも、実にスリリングである。なんだか知らないけど、すごく大事で、えらいこと勉強になるぞこれは、という感触だけが、ある。
 
 運動の形態は多様にあるし、国家や時々の権力との関係も極めて複雑。でもそれらを見据えてなお、「自律」をこよなく大切にする姿勢。湯浅さんがしばしば強調される「市民社会」のイメージともどこか違うのだろけれども、でも重なる部分は少なくない気がする。

 僕は順番に最初から読んでいったが、予備知識のない方は末尾にある廣瀬さんの解説「ブエノス・アイレス報告」から読まれた方が入りやすいかもしれない。『フランス ジュネスの反乱』などと並び、すくなくともこの5年の間、日本の社会運動の格好の参考書となるだろう。
 
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by todoroki-tetsu | 2009-04-17 23:31 | 業界 | Comments(0)

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