西原理恵子『この世でいちばん大事な「カネ」の話』

 「文化系トークラジオLife」にて斎藤哲也さんがすでに推されていて、いやあさすがプロは目が早いなあ、と思いつつ、遅ればせながら読了。西原さんの『この世でいちばん大事な「カネ」の話』

 さすが理論社さん、この道のパイオニアだけあってすごいところをひっぱってくる。何気なく帯に記された刊行予定を見ると、立岩真也さんの名前がある。前にも見かけた気がするので、ずっと進行中なのだろう。じっくりと時間をかけて形にしていってほしいものだ。

 さて、学生時代に『ぼくんち』で衝撃を受けて以来の西原ファン、全部とまではいかずとも『サイバラ茸』シリーズ含め、ある程度読んでいるつもりではいた。けれども、いや、西原さんの「核」というか、吉本隆明さんの芸術言語論的に言えば「精神構造」が凝縮されていて、新鮮に思えた。

 カネの話を中心に据え、働くことについて、また貧困について話は及んでいく。湯浅誠さんのおっしゃる「溜め」の話にも関わってきそうだ。グラミン銀行へのまなざしもあたたかい。

 名作短編、「うつくしいのはら」(『営業ものがたり』所収)を思い出しつつ、目頭が熱くなった。
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by todoroki-tetsu | 2009-01-07 09:44 | 業界 | Comments(0)

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