現在の日本の若者の文化や流行について分かる本

 というお問い合わせを受けた。

 達者な日本語だが、韓国の方らしい。学生さん風の男性。旅行なのか留学生なのかはよく分からない。

 さて、こりゃ腕のみせどころだわい、とちょっと息を整え、どんなイメージのものをお求めなのか、伺っていく。アニメ系のものとか、ムック本のようなビジュアルのもの――いわゆるジャパン・コンテンツそのものをお求めではないようだ。じゃあ、ということで売場をかけずりまわって集めたのが下記。→は一応のおすすめコメント。

宇野常寛、『ゼロ年代の想像力
→言及している作品・事象が幅広い。

鈴木謙介、『サブカル・ニッポンの新自由主義』 
→政治というか社会の状況まで射程を拡げるならこれ。

広田照幸編、『若者文化をどう見るか
→テキストとして格好。

毛利嘉孝、『はじめてのDiY
→メインあるいはメジャーではない動きを知るのなら。

日経MJ編、『日経MJトレンド情報源
→データやマーケティングを視野に入れた知識が必要ならこれ。
 
 もっといろんな選択があったのだろうが、真っ先に思い浮かんだのは『ゼロ年代の想像力』と『日経MJトレンド情報源』であった。要するに、批評とマーケが現在を知るには最適ということか? などと的が外れているんだかいないんだかよく分からん感想を勝手に抱く。

 結果お買い上げ頂いたのは『ゼロ年代の想像力』。こうしたきっかけで日本の若い世代の言論が海外に知られるといいな、と妄想する。日本語が亡びるんだかどうだかよく分からないが、商売の観点からいえば、そりゃあ限られた市場じゃ限界があるのは間違いないんであって、日本語で書かれたものを読みたいと思う人を増やすしかないでしょう(帝国主義的?)。どうも日本の今の批評やら社会学は面白いらしいぞ、と知られていくようになれば、もっと違った局面を創り出せるんじゃないだろうか。

 もっとも、そのためには今日本でふつうに読まれているものをダイジェストでもなんでもどんどん翻訳していくことが市場拡大に必須。もうすでにあるのかもしれないが、たとえば、主要新聞の書評などを英・中・ハングル・仏くらいに訳して有料配信するサービスとかはどうだろう? 日本人が外国人に何かを伝える時にも結構有効じゃないかと思うのだ。別段新聞書評じゃなくてよろしい、イメージのひとつとして例に挙げただけ。もちろん、独自に編集しても面白いだろう。

 いや、『フランス ジュネスの反乱』が今の日本で読むに値する のであれば、『ロスジェネ』だって『フリーターズフリー』だってフランスで読むに値するに違いない、と思う、ただそれだけのこと。

 「ただそれだけのこと」でなおかつまっとうに利益が出せれば素晴らしい。
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by todoroki-tetsu | 2009-01-05 01:00 | Comments(0)

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